煎茶のメリットとデメリットは?風味を保つ方法や淹れ方も解説

煎茶のメリットとデメリットは?風味を保つ方法や淹れ方も解説 煎茶

普段から煎茶を淹れて飲むという人は多いですが、煎茶とはどんなお茶なのか、どんな効果があるのか、はっきりとはわからない方もいるのではないでしょうか。

健康によさそうというイメージですが、実際、煎茶を飲むメリットはあるのでしょうか?また、デメリットとその対策はあるのでしょうか?

この記事では、煎茶のメリットデメリットと風味を保つ方法、美味しい淹れ方を解説します。

煎茶とは

煎茶は、緑茶の中で、もっともよく飲まれているお茶です。日本人にとってはなじみがあり、安心できる味ですよね。

お茶の種類は茶葉の育成環境や摘採した生葉の加工方法によって煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶、抹茶などに分類されます。さらに2次加工品として玄米茶、ほうじ茶、粉茶などがあります。

煎茶は「日光を浴びさせ続けて栽培する」「蒸して揉むという製造工程」、のもっとも一般的な製法で作られたお茶になります。

煎茶のメリット

煎茶は健康にも良いイメージを持っている方も多いでしょう。では実際に煎茶を飲むメリットはあるのでしょうか?ここから詳しく見ていきましょう。

カフェインの覚醒作用を期待できる

カフェインの主な効用として、覚醒作用が挙げられます。

カフェインは脳の中枢神経に作用するため、眠気を防いで知的作業能力を向上させたり、運動能力を向上させたりすることもあります。

朝の煎茶は身体をしゃきっとさせると同時に、気持ちをほっとリラックスさせる効果が期待できます。

カフェインの利尿作用がある

利尿作用は尿の排出を促します。尿の排出が促されることで、体の中の余分な水分や塩分を減らすので、むくみや高血圧を予防できます。

尿と一緒に体内の老廃物や毒素を排出するデトックス効果も期待できます。

カテキンの抗酸化作用・殺菌作用を期待できる

煎茶に多く含まれるカテキンは、抗菌・殺菌作用、抗ウイルス作用があります。コレラ菌などの病原菌や食中毒菌、大腸菌O-157などに強い殺菌効果のあることが認められています。 また、人の腸の中の悪玉菌や虫歯に強い殺菌作用を示します。

血中コレステロールの低下

カテキンは食事中のコレステロールの吸収を抑え、血中コレステロールを下げます。

コレステロールの中でも悪玉コレステロールだけが低下し、善玉コレステロールには影響しないという特性も嬉しい点でしょう。

体脂肪低下

カテキンは食事のときに摂ると脂肪の吸収を穏やかにするという特性を持ちます。

どのお茶にもカテキンは含まれますが、体脂肪低下に効果があるのはカテキンの中でもガレート型カテキンと呼ばれるものです。

ガレート型カテキンは緑茶に多く含まれ、その中でも煎茶はカテキンの含有栗が高いです。

淹れ方次第で味を変えられる

煎茶は温度、蒸らし時間、水で味が変わります。

茶葉1回につき、3煎は楽しめるので、自分の好きな淹れ方を追求してみても楽しいですね。

煎茶のデメリット

身体にいい煎茶ですが、摂り過ぎると不調を招いてしまうこともあります。

適量を美味しく飲んで、煎茶の効果を身体に取り入れるために、デメリットもしっかり知っておきましょう。

健康な成人であれば、1日に400mg以内なら悪影響がないとされています。煎茶で考えると、通常の淹れ方で大体2リットルです。

カフェインが含まれている

カフェインを摂り過ぎると覚醒作用が強く働き、めまい、心拍数の増加、興奮、不眠といった症状が現れます。 消化器官にも影響して、下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。

カテキンが含まれている

カテキンそのものに害はありませんが、大量に接種するとカテキンがタンニンという成分に変化することがあります。タンニンには酸化しやすく、タンパク質を凝固させてしまう特徴があるため、体内で悪影響を与える可能性があります。

またタンニンは鉄分の吸収を妨げます。貧血が強い人は食事中に濃いお茶を飲むのは控えた方が無難です。

淹れるときに手間がかかる

煎茶を美味しく淹れる適温は70℃〜80℃と言われています。そのため、沸かしたお湯を適温まで下げる必要があります。

抽出時間は60秒。丁寧にゆっくり淹れなくてはいけないので、忙しい朝には不向きかもしれません。

保存環境に注意が必要

煎茶は温度や湿度、光の影響を受けやすく、保存方法を間違えると劣化してしまいます。

煎茶の美味しさ、香りを長く楽しむために注意したいことがあります。

  • 冷暗所(冷蔵庫)での保存
  • 密封容器での保存
  • 1ヶ月で飲み切れる量の購入

煎茶は温度変化に弱いので、冷暗所で保管します。また湿気てしまうと風味が損なわれてしまうので、密封容器での保存をします。

また煎茶は脱臭剤代わりに使えるほど臭いを吸うので、保存方法によっては香りも損なってしまうこともあります。

煎茶の賞味期限は1ヶ月です。

香り高く美味しい煎茶を飲むなら、飲み切れる量を購入する、ということも大切です。

煎茶のデメリットへの対策方法

煎茶をたくさん飲みたいと思っても、デメリットは気になりますよね。煎茶のデメリット対策は知っておきたいですよね。

デメリットの中でも体に悪影響をもたらす可能性があるカフェイン、カテキンが減らせる方法、煎茶を間違った保存方法で品質低下させないための注意点を調査しました。

煎茶の変質・品質低下の原因は、大きく分けて湿度・酸素・光・高温・移り香の5つが挙げられます。

カフェインやカテキンを減らす淹れ方を覚える

煎茶に含まれるカフェイン、カテキンは、お湯の温度が高いと溶けやすい性質があり、60℃以上で含有量が増加します。

70~80℃程度のお湯で淹れるとカフェイン、カテキンが抑えられ、苦味、渋み、香りのバランスがよく、身体にもやさしい煎茶になります。

また水出しすると、旨味はそのままにカフェインを減らすことができます。

風味を保ちたいときは茶筒を使う

煎茶の変質・品質低下の原因は、大きく分けて湿度・酸素・光・高温・移り香の5つが挙げられます。

風味を保つポイントは3つ。

  • 高温多湿を避ける
  • 香りの強い場所を避ける
  • 光を当てない

開封前の煎茶は含水率が約5%と非常に低いので、開封した途端に乾燥したスポンジのように空気中の湿気をどんどん吸収します。
茶葉が水分を含むと酸化が進み、味や香りだけでなく見た目にも大きな影響を与えます。

また、カビなどの原因になることも考えられるので、乾燥剤を入れるなどできるだけ湿度の低い状態を保ちましょう。

煎茶の香りはさわやかで落ち着きがあり、気持ちを和ませます。

しかし、煎茶には周りの匂いをどんどん吸い込む性質があります。匂いの強いものを近くに置くと、煎茶本来の香りを損なってしまうため注意しましょう。

直射日光や蛍光灯などの光が当たる場所での保管も避けてください。

クロロフィルという成分の分解が促進され、青々とした茶葉が褐色に変化し、見た目が著しく劣化します。

ガラス瓶などで保管する人もいますが茶筒は茶葉の保管に特化し、密閉性・遮光性・耐湿性に優れている点が特徴です。

茶葉の劣化の原因となる湿気・外気・日光などから守ることができ、お茶本来の味を楽しめます。

ガラスは光を通すので、遮光対策を忘れずにしましょう。

煎茶の美味しい淹れ方

煎茶は淹れる温度や抽出時間によって味わいが変化します。甘味を楽しみたいなら70℃、渋いお茶が好きなら80〜90℃くらいが適しています。
お湯の温度は上級茶で70℃くらいの低温、中級煎茶で80〜90℃くらいの高温が適しています。2煎目以降も美味しくいれるためには、1煎目をそそいだあと急須にお湯を残さず、絞りきることが大切です。

2人分の煎茶を美味しく淹れる基本的な量、温度、時間は以下です。

お湯の量:120cc

茶葉(煎茶)の量:約4g

お湯の温度:70℃~80℃

(二煎目は90℃くらいの高めの温度で)

浸出時間:30〜60秒

煎出回数:2~3煎

1.煎茶の茶葉を急須へに入れる

茶葉は「ティースプーン1杯分=約2g」を目安にして入れましょう。

2.お湯を適温にまで下げる

お湯をいったん沸騰させます。その後、湯冷ましで冷ましや湯呑みで適温まで温度を下げます。お湯は一度別の器に移すと約10℃温度が下がります。

それを知っておくと楽に適温にすることができます。

1煎目はやや低めの温度(70℃くらい)で淹れるとよいでしょう。

煎茶は低温で淹れることでカテキンの抽出が抑えられ、渋みの少ないまろやかな味が楽しめます。

3.急須にお湯を入れて、静かに待つ

お湯を入れたら蓋をして約1分~1分半待ちます。蓋を開けて、茶葉の開き具合を見たとき、撚られた茶葉がふんわりとほどけてきたら飲みごろです。

待っている間に急須をゆすると濁りや雑味が出てしまうので、いじらないようにしましょう。

4.最後の1滴まで絞りきる

各湯呑みの味が均一になるように、少量ずつ回し注ぎます。この時、最後の一滴まで絞りきって淹れるのがとても大事なポイントです。

最後の一滴は煎茶の旨味が凝縮された、言わばエッセンスのようなもので、「ゴールデンドロップ」と呼ばれたりもします。

1煎目はもちろん、最後の一滴まで絞りきることで1煎目はもちろん、2煎目も美味しく淹れられます。

5.2煎目以降は熱湯で淹れる

2煎目以降は熱湯で淹れましょう。

すでに茶葉が開いているので蒸らさずさっと淹れて、1煎目で茶葉に残ったカテキンを抽出します。

まろやかな風味の一煎目とはまた違う、キリリとした味わいのお煎茶が楽しめます。

煎茶ティーバッグの場合のおいしい淹れ方

  1. 茶葉の量:カップ1杯にティーバッグ1個
  2. 湯の温度:ポットのお湯をそのままそそぐ
  3. ソーサーなどを被せて、充分に蒸らす:時間がきたらソーサーを取り、タグを持って3~4回振る。
  4. 静かに引き上げる:最後はスプーンなどでしぼらず、静かに引き上げる。

まとめ

いつも生活の中に自然にある煎茶ですが、淹れ方や保存方法によって、さらに美味しく楽しめるポテンシャルのある飲み物でもあります。メリットデメリットを知って、健康の維持にも役立てましょう。

自分の好きな温度や産地などを見つけると、さらに煎茶の奥深さを感じられるようになります。

もっとも適した保存容器は茶筒です。茶筒のデザインもかわいいものからスタイリッシュなものまでさまざまあるので、インテリアとしても楽しめます。

煎茶は生活を豊かにします。ぜひ、煎茶をゆっくり楽しむ時間を作ってください。気持ちがゆったりしますよ。

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