三年番茶というお茶を飲んだことはありますか?身体にやさしくて毎日飲めるお茶として知られ、ヘルシー志向の方や子育て中のママに注目されています。
でも三年番茶が三年と呼ばれる理由はなぜなのか、番茶との違いは何か、本当に身体にやさしいのか、実はよく知らないという方は多いのではないでしょうか?
今回は三年番茶の特徴や淹れ方、保存法を解説します。また、三年番茶を使った豊富なアレンジ茶も紹介いたします。
三年番茶とは
三年番茶とは摘み取った緑茶の葉と茎を3年天日干しして熟成した番茶です。
抗酸化作用やリラックス効果、代謝を向上させることによるダイエットのサポートや整腸作用が期待できるほか、血糖値を緩やかに上昇させるため、血糖値の安定や糖尿病予防にもつながる可能性があります。
なぜ3年なのか、という点も気になりますよね。
茶葉や茎は3年経過することでカフェイン成分が少なくなり消化吸収がよくなる、デトックス効果が上がるなど、より身体にいいお茶になると言われているためです。
マクロビオティックの観点からも三年番茶は体を温め過ぎず、冷め過ぎさせずに中庸に持っていく飲み物として積極的に取り入れています。
身体にいいので飲用の手当てとしても、多くのアレンジ茶が考え出されています。
マクロビオティックの基本的な考え方に「陰陽のバランス」があります。
基本的には、身体を冷やす食べ物が「陰性」、身体を温めるものが「陽性」とされていますが、コーヒー・紅茶・煎茶などのお茶は陰性の食物と考えられています。
陰性の食事に陰性のお茶を合わせると身体は極端に陰性に傾き、身体を冷やしたり、代謝に負担がかかったりします。でも三年番茶は茎や新芽でない葉部分を使用し熟成しているので、陽の力がプラスされ中庸の食物と変化し、健康にいいお茶として好まれています。
番茶の詳細についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
番茶の詳細やおすすめの番茶についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
ほうじ茶との違い
三年番茶とほうじ茶の違いは、お茶の刈り取り方と製造方法にあります。
ほうじ茶は茶葉や茎を刈り取ったときに焙煎するのに対し、三年番茶は3年間熟成させる、または刈り取らず3年間生育した茶葉や茎を使用しています。
番茶とほうじ茶の違いについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
三年番茶の2種類の製法
三年番茶は3年間熟成している番茶というイメージがありますが、三年番茶として売られているものがすべて3年の熟成が行われているかというと、必ずしもそうではありません。
三年番茶の製法は2種類あり、その1つは刈り取った茶葉や茎を3年以上熟成したもの、もう1つは3年間、お茶の木を栽培する方法です。
製法の違いがパッケージに記入されていることは少ないので、気になる方は購入前に確認しましょう。
どちらの三年番茶も、長期にわたって熟成・栽培がされているので、お茶の刺激成分が軽減され健康面に様々なメリットがあります。
3年以上熟成する方法
三年番茶に使用するのは4〜5月に収穫する新芽ではなく、秋に収穫する大きく成長した茶葉と茎です。それらの茶葉や茎を茶農家が摘んですぐに蒸し、揉んで、乾燥させた状態を荒茶と呼びます。
こちらの製法は荒茶の状態で3年間常温熟成した後、焙煎して作ります。
茶の茎葉が収穫されてから3年間寝かせることで、より深い味わいやコクが生まれ、時には甘味も増すことがあります。
お茶の木を3年間栽培する方法
こちらの製法は3年間刈り取らずに伸ばしたお茶の茎と葉を刈り取り、蒸し、乾燥、荒茶の状態で、一定期間熟成し、焙煎して作ります。
この方法で作られた三年番茶は、土地の養分を多量に含むため、よりすっきりと甘い味わいを楽しむことができます。
三年番茶の特徴
三年番茶は栽培や熟成の過程で、カフェインやタンニンなどの刺激物が抜けた胃にやさしいお茶です。
カフェインフリーなものも多く、緑茶のような苦味や渋味がないので飲んだ瞬間、香ばしい風味が口いっぱいに広がります。 また、一般の番茶よりもじっくり焙煎しているので、まろやかな甘みがあるのも特徴です。妊婦さんや赤ちゃん、子どもも安心して飲めます。
寝る前のリラックスタイムに飲むお茶としてもぴったりのお茶です。
カフェインやタンニンの含有率が少ない
三年番茶の大きな特徴としてカフェインやタンニンの含有量がほかのお茶より圧倒的に少ないことが挙げられます。
カフェインやタンニンは新芽の状態のときがいちばん多く、時間の経過とともに減少していきます。三年番茶は3年間の栽培・熟成の間にカフェインやタンニンが少なくなり、最終段階で焙煎することでさらに減少します。
一般にお茶に含まれるカフェインや、タンニンは適量なら疲労感をやわらげたり、眠気を覚ましたり、むくみを予防したりや抗酸化作用というメリットがあります。
一方でカフェインは過剰に摂取すると不眠症や頭痛、イライラ感、脱水症を引き起こすことがあり、タンニンは胃に負担をかけることがあるので気をつけなければなりません。
妊娠中や小さな子ども、病気の方など摂取量が気になる場合でも三年番茶なら安心して飲むことができます。
番茶のカフェイン量についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
香ばしい風味やほのかな甘みが堪能できる
3年間しっかりと熟成・乾燥させた三年番茶は、茶葉に含まれるカフェインやタンニンといった苦味・渋味成分が抜け、まろやかで飲みやすい味になります。茶葉と茎をじっくり焙煎することで茶葉本来の甘みや飲んだ瞬間の香ばしい風味を引き出しています。
飲み口はすっきりしていて飲みやすいお茶です。
日常的に飲用できる
三年番茶はカフェインの含有量が少なく胃にやさしいので、毎日飲んでも安心なお茶です。
コーヒー・紅茶・煎茶は身体を冷やしたり、代謝に負担があったりしますが、三年番茶は茎の部分を多く使用することで保温効果が上がります。
冷え症の方や身体の芯まで冷えてしまったというときに飲むと、身体がぽかぽか温まります。
また三年番茶には整腸効果があります。
茶葉に含まれる繊維質と発酵物質が腸内を良好に刺激するので、便秘の解消にもつながります。。
体内に溜まっている老廃物を排出するデトックス効果が高く、消化吸収や新陳代謝にも良いので、健康に気を使っている方には理想的な飲み物といえるでしょう。
苦味のないすっきりした味わいで飽きることなく、急須でも煮出しや水出しでも美味しく飲めるので、冬はホット、夏はアイスでと1年中楽しめます。
購入する場合は自然食品店やネットショップが種類が豊富です。
成城石井やビオセボンなどのスーパーでは扱っている店舗はありますが、ドラッグストア・KALDIでの取り扱いは現在はないようです。
国産や有機栽培で作られているケースが多い
三年番茶は国産にこだわったものや、栽培方法にこだわったものが多くあります。
栽培期間中、農薬や化学肥料を使わず有機栽培されているため、安全で身体にいいお茶に仕上がります。
身体に取り入れるものは、できるだけいいものをと考える方は多いですよね。お茶は口にする機会も多いので、安全なものを選びたいですね。
三年番茶の淹れ方
三年番茶を美味しく飲むには、どんなことに気をつけて淹れるといいのでしょうか?
お茶を淹れる水は、浄水器を通した水道水か軟水の国産天然水などがおすすめです。淹れる方法は急須で淹れる、煮出して淹れる、水出し、ティーバッグの4つがあります。
ここではそれぞれの方法で美味しいお茶を抽出するポイントを紹介します。
急須で淹れる方法
三年番茶を急須で淹れるときは90℃以上のお湯を沸かします。
三年番茶には渋味のもとになるカフェインやタンニンがほとんどないので、沸騰したての熱湯を注いでも問題ありません。
茶葉は1人前で4g、大さじ1(ティスプーン山盛り2〜3杯)が目安です。
淹れ方は以下の通りです。
- 急須に三年番茶を入れ、お湯を注ぎます。
- 蒸らし時間は30〜40秒から2〜3分まで茶葉や好みによって、それぞれです。少しずつ時間を変えて、自分にとっていちばん美味しい時間を見つけるといいでしょう。
- 蒸らした後は湯呑みに回しつぎし、最後の1滴まで絞り切ります。
煮出して淹れる方法
三年番茶は急須でも美味しく飲めますが、煮出すとさらにコクが出て美味しくなります。水1Lに対して茶葉10〜15g入れます。
淹れ方は以下の通りです。
- やかんに水を入れて沸騰させます。
- 茶葉を入れて弱火で煮出します。すっきりとした薄い風味が好みなら2分~3分、番茶の香ばしい風味が好きならもう少し長めに火にかけてください。パックなどに入れた場合も、少し長めに煮出して下さい。
- 火を止めて、茶葉を取り除きます。
- 茶葉を茶こしでこしながら湯のみに入れます。残ったお茶はポットなどに入れてください。
三年番茶を煮出して淹れる場合は、金属製のやかんでもいいのですが、土瓶や陶製の焼き物を使うと風味を損なわず、より美味しく飲めます。
煮出すときの火加減はまずは中火で惹立ったら弱火にします。グラグラ煮立てるとせっかく風味が飛んでしまいもったいないため気をつけましょう。
水出しで淹れる方法
三年番茶は水出しで淹れるとお茶の甘味、旨味が際立つお茶になります。透明感があるすっきりした味わいで、暑い夏にごくごく飲むのにおすすめです。
水出しの場合は1Lほどのお水に大さじ2杯の三年番茶を入れて一晩置くだけでできます。
手軽なので、忙しいときにも嬉しいですね。
水出し番茶の淹れ方についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
ティーバッグで淹れる方法
三年番茶はティーバッグでも購入できます。オフィスなどで飲みたいときには茶葉を捨てる手間がなく簡単なので重宝します。
ティーバッグで淹れる場合も90℃以上の沸騰させたお湯が用意できると、本格的な味を楽しめます。
ティーバッグ1個につき、お湯は150ccほどが適量です。
淹れ方は、急須やカップにティーバッグを入れ、1分程待ちます。これだけで三年番茶が楽しめるのは嬉しいですね。
三年番茶を使ったアレンジ茶
三年番茶はまろやかで主張しすぎない味なので、さまざまにアレンジして楽しめます。
アレンジ茶は風味が変わって美味しいだけでなく、プラスする食材によって身体にもたらす効果が変わります。
組み合わせる食材もなるべくオーガニックなものを選ぶといいですね。
ここではマクロビオテックや自然療法でも取り入れられる代表的なアレンジ茶を紹介します。
頑張りすぎないけど「なるべく薬には頼りたくない」という方は、ぜひ試してみてください!
梅醤番茶
梅醤番茶は体調不良のときに思い浮かぶ、代表的な三年番茶のアレンジです。
疲労回復、食欲不振、胃痛、腹痛などに効果があります。
材料は以下の通りです。
- 梅干し:中粒1個
- 醤油:小さじ1.5
- 生姜おろし汁:2~3滴
- 三年番茶:1カップ強
作り方は以下の通りです。
- 梅干しを湯呑の中でつぶし、醤油、生姜のおろし汁を入れます。
- 熱い三年番茶を注ぎ混ぜます。
梅干番茶
梅干しのクエンは身体をリフレッシュさせます。疲労回復やデトックスしたいときに。梅干しの種は残して飲みます。
材料は以下の通りです。
- 梅干し:中粒1個
- 三年番茶:1カップ強
梅生番茶
梅生番茶は、お腹の調子が悪いときにおすすめです。
材料は以下の通りです。
- 梅干し:中粒1個
- 生姜のすりおろし:少々
- 三年番茶:1カップ強
作り方は以下の通りです。
- 梅干しにすりおろし生姜を少量混ぜます。
- 熱い三年番茶を注ぎます。
醤油番茶
醤油番茶は新陳代謝アップが期待できます。基礎代謝が上がると太りにくく痩せやすい体質になったり、くすみやニキビなどの肌トラブルを予防できます。
材料は以下の通りです。
- 醤油:1〜2滴
- 三年番茶:1カップ強
淹れ方は以下の通りです。
- 湯呑に醤油をたらし、熱い三年番茶を注ぎます。
塩番茶
塩には殺菌効果があります。風邪の前兆があるときや花粉症などのアレルギー対策に塩番茶は重宝します。使用する塩はミネラルが豊富な天然塩を選ぶとよいでしょう。
材料は以下の通りです。
- 自然塩
- 三年番茶
作り方は以下の通りです。
- 三年番茶に1%の塩を加えて煮立たせます。
塩番茶はうがい薬としても使えます。
喉がイガイガするときはもちろん、鼻水が気になるときに鼻を洗ったり、目の洗浄にも使ったりもできます。
三年番茶の保存方法
三年番茶もほかのお茶と同様、湿度・酸化・匂いに弱いです。
保存するときは、香りや味に影響がでないよう密封容器に入れます。その際、茶筒などの遮光のものを使用すると茶葉のきれいな緑色を長く保つことができます。
三年番茶は常温で保存することが可能すが、冷蔵(冷凍)庫で保管すると劣化しにくくなります。
冬は室内が温かいので、冷蔵庫から取り出したときに茶葉がしめらないように注意しましょう。
茶葉の中の水分量が増えると、色や香りが変質します。 空気に触れるとカテキンやビタミンCが酸化し、味を低下させます。
また茶葉は香りを吸収しやすいため、冷蔵庫の保管時も強い匂いのものを近くに置かないなど気を付けましょう。
三年番茶の賞味期限は製品によって異なりますが、概ね製造日から10ヶ月ほどが多いです。
美味しく飲むためには開封したら、なるべく早く飲み切るのも大切です。
まとめ
三年番茶は3年という時間とお茶作りにかかわる人たちの手間が作り出すお茶です。
栽培熟成の間にカフェインやカテキンが軽減し、身体にやさしいお茶に変化します。
刺激が少ないので、赤ちゃんや小さな子どもも安心して飲めるから家族みんなで楽しめるのも嬉しいですよね。
まろやかな甘みとすっきりした飲み口で、毎日飲んでも飽きません。
体調が悪いとき、リラックスしたいときはもちろん、これからの暑い時期の水分補給にもぴったりです。
アレンジ茶も豊富なので気分や体調によって、いろいろ楽しんでみてはいかがでしょうか?
番茶の効能についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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