「健康にいい」と話題になっている番茶を飲んでも、実際にどのような効果があるかをご存知でしょうか。また、番茶にもいくつか種類があるため、味わいや効能の違いについて疑問を抱く方もいらっしゃることでしょう。
この記事では番茶の効能から淹れ方まで、詳しく説明していきます。番茶はさまざまな淹れ方ができますが、方法によっては得られる効能にも多少違いがみられます。
一般的な煎茶とは違った魅力のある番茶の特徴をおさえておき、健康のためにもぜひ取り入れてみてください。
番茶とは
番茶は緑茶の一種で、収穫時期の遅かったり煎茶の選別の際に残ったりした茶葉を使ったお茶のことです。一般的な煎茶と茶葉の見た目や淹れた際の水色といった見た目は似ていますが、味は苦味や渋みが少なくあっさりしたものだと感じられるでしょう。
その飲みやすい味わいのため食事やリラックスタイムのお供として飲まれることが多く、日常的使いのお茶として親しまれています。また番茶の「番」という漢字も、「日常使いの」を意味しているという説が最も有力です。
番茶についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
ほうじ茶との違い
ほうじ茶とは一度仕上げた番茶や煎茶の茶葉を焙煎して仕上げたもので、甘香ばしい香りと赤茶色の水色、すっきりとした味わいが特徴です。とはいえに使われるのは番茶の茶葉であることが多いため、ほうじ茶は番茶の一種ともいえます。
つまり、一般的な番茶とほうじ茶の違いは、最後に焙煎する工程があるかどうかといえるでしょう。ところが、番茶は地域によって製法が異なるため、ほうじ茶をそのまま番茶というケースもあります。
番茶とほうじ茶の違いについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
番茶の効能
ここまで、番茶の見た目や味わいといった特徴をみてきましたが、実際に飲用するとどのような効果があるのでしょうか。ここでは番茶特有の効能について詳しくご説明します。
体の酸化防止に役立つ
番茶は抗酸化作用で知られるカテキンを、煎茶よりも多く含んでいます。このカテキンは食生活をはじめとする生活習慣によって、体内に増えた活性酸素を取り除く効果があるとして知られています。
カテキンによって活性酸素を取り除くと、体の細胞の老化を遅らせることにつながります。そのため番茶を続けて摂取することにより、動脈硬化を抑えたりがんの予防に繋がったりする効果がみられるのもそのためです。
血糖値の上昇の抑制効果が期待できる
ポリサッカライドによって血糖値の上昇を抑えられることは、番茶の効能の1つです。そのため番茶を日常的に飲むことは、糖尿病の予防につながるといわれています。また、血糖値の変動は空腹感などとして現れるため、ポリサッカライドを含んだ番茶はダイエット中の方にもおすすめです。
ただし、ポリサッカライドは熱に大変弱いため、番茶を使って効果を得るためには水出しで飲むことが推奨されています。血糖値が気になる毎日の食事では、水出し番茶をぜひ活用したいものです。
リラックス効果を期待できる
番茶には一般的な煎茶やコーヒーよりカフェインが少ないため、リラックス効果を得られることが期待できます。そのためお子さんや妊婦さんが飲んでも自律神経にかかる影響が少ないだけではなく、就寝前でも飲みやすいお茶といえるでしょう。
もちろん、カフェインによって体を冷やす心配も少なく、日常生活において体の冷えが気になる方にもおすすめです。
番茶の種類
ここまで番茶の効能についてみてきましたが、そもそも番茶にはどのような種類があるでしょうか。ここでは一般的によく知られている番茶の特徴について、詳しく解説していきます。
秋冬番茶
秋冬番茶とは、9月下旬から10月にかけて収穫される茶葉で作られた番茶です。製法は一般的な新芽を使った煎茶とはほとんど変わりませんが、苦味や渋みが少なくあっさりとした味わいが特徴です。
夏の間に生長した茶葉を使うためポリサッカライドやカテキンが多く、カフェインが少ない点で健康に良い影響を与えるとされています。もちろん、お子さんから年配の方まで、安心して飲める点もメリットの1つです。
秋冬番茶は熱湯で淹れても美味しく飲めますが、ポリサッカライドの効果を得たい場合は水出しで淹れることが推奨されています。
三年番茶
3年かけて育てた木を使ったり、3年熟成させた茶葉を使ったりした番茶は、三年番茶と呼ばれます。煎茶のように蒸したり乾燥させたりして作られますが、三年番茶の場合、後に熟成や焙煎という工程が加わるのが特徴です。
味わいはほうじ茶のようにすっきりとしたもので、甘香ばしい香りが感じられます。熟成する過程で苦味や渋みの成分が減少しているため、その飲みやすさも魅力の1つです。
食品表示上はほうじ茶とされていますが、ほうじ茶に比べてさらにカフェインが少なく体を温めるお茶としても知られています。そのためお子さんはもちろん、妊娠中の方やカフェインの影響を受けやすい体質の方にも特におすすめのお茶といえるでしょう。
ただし熱湯で淹れることが推奨されていることが多いので、赤ちゃんやお子さんが飲む場合は温度に注意が必要です。
柳
煎茶を選別する過程で、平らな茶葉は取り除かれて柳と呼ばれます。これは茶葉の中でも硬い部分が揉んだ際に平らな形として残ったもので、頭や頭柳と呼ばれることもあるでしょう。関東で「番茶」という場合、柳のことを示していることが多いとされています。
一般的な煎茶と同じ茶葉ではありながら、苦味や渋みが少なくあっさりとしていて飲みやすいのが特徴です。もちろん淹れた際の水色や風味は煎茶とあまり変わりません。苦味や渋みが出にくいため、淹れる際は熱湯を使っても問題ありません。
お茶屋さんや通販サイトでは取り扱いが少ないものの、玄米茶やほうじ茶の原料になることも多いです。ご家庭ではお茶漬けに使ってもおいしいという意見もみられるでしょう。
番茶の淹れ方
やかんで淹れたり水出ししたりしても美味しく飲める点は、番茶の魅力の1つです。最初は、茶葉のパッケージに記載の分量や時間を確認して淹れてみましょう。淹れるのに慣れてきたら、ご自身の好みに合わせて調整してみてください。
番茶の淹れ方についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
急須で淹れる方法
番茶は煎茶や紅茶などと同様に、急須で手軽に美味しく淹れられます。熱湯を入れた急須に茶葉を入れて、3分ほど蒸らすという方法が一般的です。
もちろん複数の湯呑みに注ぐ際は、煎茶と同様に代わる代わる淹れるのが良いとされています。また、煎茶より高温になるため、少し大きめの湯呑みを使うのが淹れやすく飲みやすくするためのポイントです。
番茶の風味や栄養を引き出すために熱湯を使いますが、渋くならない点で初心者でも淹れやすいでしょう。温度やお湯の量も調整しやすい点で、急須を使うと番茶を気軽に淹れられます。
やかんで淹れる方法
番茶はやかんで煮出しても、美味しく作れます。具体的にはやかんでお湯を沸騰させ、茶葉を入れて煮出すという方法が一般的です。番茶の風味を楽しむためにも、やかんに茶葉を入れるタイミングで弱火にするのがポイントです。
土瓶や陶器のやかんに直接茶葉を入れるという方法が最も美味しく作れるとされていますが、金属のやかんやティーバッグの茶葉を使ってももちろん問題ありません。ただしティーバッグの茶葉を使う際は、直接茶葉を入れる場合よりも若干煮出す時間を長くしたほうが美味しく淹れられるでしょう。
水出しする方法
番茶の栄養を十分に取りたい場合、水出しで淹れるのがおすすめです。一般的には冷水の入ったピッチャーや急須に、茶葉のパックを入れておくという方法で淹れられるでしょう。お湯を使った淹れ方より時間がかかるケースがほとんどで、ピッチャーを使う場合は一晩おいておくことがおすすめとされていることが多いです。
ティーバッグの茶葉の中には水筒に入れておけるタイプの商品もあるため、外出先でも楽しみたいという方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。もちろん温度管理や水筒の衛生面には、十分に注意してください。
水出し番茶の淹れ方についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
まとめ
この記事では番茶の効能からその効能に合った淹れ方までご紹介しました。番茶は新芽を使って製茶された煎茶とは栄養成分やその割合が異なるため、得られる効能にも違いがみられます。特に血糖値を下げるといわれるポリサッカライドは、番茶の栄養成分としておさえておきたいものです。
そのポリサッカライドの栄養を十分に得るには、水出しで番茶を淹れることが最もおすすめです。とはいえ急須ややかんで淹れても渋くなりにくく、初心者でも美味しく淹れられる点も番茶の魅力とされています。
栄養成分が豊富で体に優しい番茶の効果を得るためには、継続して飲むことが良いでしょう。効能や美味しく淹れるポイントをおさえておき、ぜひ番茶を生活習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。
おすすめの番茶や番茶に含まれているカフェイン量についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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