夏に冷たいお茶は欠かせないですよね。水筒に入れて持ち歩いている方も多いのではないでしょうか。
夏のお茶といえば麦茶が定番でしたが、今はお茶の種類も増えて、いろいろな冷たいお茶が飲めるようになりました。
ごくごくたっぷり飲みたいときにおすすめなのが、水出し番茶。今回は水出し番茶のメリットを解説します。
水出し番茶の作り方や美味しい飲み方も紹介するので、ぜひ水出し番茶を楽しんでみてください。
番茶とは
番茶は緑茶の一種で新芽を刈り取った後の茶葉や、大きく育って硬くなった茶葉などで作られるお茶の総称です。
地方や銘柄によって茶葉を摘む時期や使用する部位が違ったり、焙煎の有無など加工方法に違いがありますが、全体的にリーズナブルなので、普段使いの日常茶として飲まれることが多いお茶です。
ほかの緑茶と比較して渋みがなく、クリアで飲みやすい味です。
番茶の詳細についてはこちらの記事でより詳しく解説しています。
番茶の成分
番茶は安いお茶ですが、栄養成分がたっぷり含まれています。
主な成分としてはカテキン、ポリサッカライドが挙げられます。この2つが多く含まれるのに対し、カフェインはほかの緑茶に比べて少ないのが番茶の成分の特徴です。
カテキンには抗酸化作用、殺菌作用、抗ガン作用、高血圧低下作用、血糖値上昇抑制作用などの多くの効果がよく知られています。
一方、ポリサッカライドはあまり聞かない名前ですよね。
ポリサッカライドは、全身の免疫細胞の働きを高め、免疫力を上げることが分かっています。 免疫力が上がることで、感染症や生活習慣病の予防はもちろん、老化した肌機能の改善によるアンチエイジング効果、さらには薬に頼らざるを得なかった病気の改善まで、健康や美容に働きかける効果が明らかになっています。
カフェインが少ないので、たくさん飲んでも身体に悪影響を及ぼしません。
番茶の効能や番茶のカフェイン量についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
番茶の種類
番茶は緑茶の中でも、バラエティに富んだお茶です。
「番外茶」であることから番茶と呼ばれているという説もあるくらいで、製法や茶葉の収穫時期が一般的な日本茶のどこにも属さないものの総称です。
そのため番茶は定義しにくいお茶ですが、製法や摘採時期で大きく4種類に分かれます。
上級番茶
一番茶の手摘み、または若芽を摘採した後の遅れ芽を摘採したもので、品質は良好。
刈り番茶
仕上げ加工工程で、大きく扁平な葉を切断せずに取り出し、製品化したもの。
秋冬番茶
三番茶を摘採せず、そのまま枝葉を伸ばしたものを秋に摘採したもので、量的にはもっとも多い。
仕上げ加工工程で、大きく扁平な葉を切断せずに取り出し、製品化したもの。
いずれのお茶もお茶農家が家庭で飲む素朴な味です。
水出し番茶のメリット
水出し茶とお湯で淹れたお茶の違いが一番実感できるのは味わいです。
緑茶の渋みや苦味の成分は、熱で溶け出しやすい性質があります。 低温で淹れると渋みや苦味の成分が溶け出しにくく、旨み成分だけが溶け出します。
さらに冷たい水で淹れたお茶は時間をかけて抽出することもあり、茶葉本来の旨味や甘みを感じることができます。お茶の苦味が苦手な方や、小さな子どもにも飲みやすいのが水出し番茶です。
また番茶に含まれるポリサッカライドは水に溶けやすく、熱に弱いので、水出しでじっくり淹れると有効成分が効果的に抽出できます。
水出しすることで、カフェインを減少できるので、日常の水分補給はもちろん妊娠中・授乳中や、小さな子どもといったカフェインを気にする方でも安心して飲めます。
水出し番茶がおすすめな人
水出し番茶は飲むだけで健康や美容に効果がある嬉しいお茶です。
中でも水出し番茶の成分が、悩みを解消してくれる可能性のある人がいます。
血糖値が高めな人
番茶に含まれるカテキンは食後、腸からの糖の吸収を抑える働きがあります。血糖値はご飯やパン、麺類など糖質を多く含む食品や菓子類、果物などで上がります。
血糖値は食後に上昇するので、食前に取り入れることで、腸からの糖の吸収が緩やかになります。ポリサッカライドは多糖類の一種で、糖尿病治療で使うインスリンと同じような働きをするので、血糖値の上昇を抑える効果があります。
血糖値が抑制されることで糖尿病の予防や腎不全、緑内障などの合併症を未然に防ぐ効果が期待されます。
ダイエット中の人
ポリサッカライドを構成する成分は消化酵素の働きを抑え、体脂肪の燃焼を助けます。疲れにくい体を作ったり、筋肉の能力を高めるのでダイエットに向いてます。
またカテキンも一定量を摂取し続けると、肝臓での脂質代謝が高まり、エネルギー消費が高まるため、体脂肪が減少します。
カテキンを継続的に摂取し続けると、食事性脂肪の燃焼を上昇させ、食事誘発性体熱産生も上昇させるのでダイエットにつながります。
妊娠中や授乳中の女性、子ども
水出し番茶はカフェインが少ないので、カフェインをあまり摂りたくない妊娠中や授乳中の飲みものとしても最適です。
小さな子どもから飲めるので、育児で忙しいときにも水に茶葉を入れるだけで、家族で飲める美味しいお茶ができるので楽です。
水出し番茶の作り方
水出し番茶は水に茶葉を入れるだけなので簡単に作ることができます。
ここではツール別に美味しく淹れる方法を紹介します。
急須での淹れ方
1人分の場合は茶葉を10g、水を100mlを用意します。
急須に茶葉と水を入れ5分間待った後、濃さが均一になるように、急須の中身をやさしく回します。
フィルターインボトルでの淹れ方
フィルターインボトルは注ぎ口部分にフィルターがセットされているので、茶葉をそのまま入れて飲むことができます。
冷蔵庫に入れて最低でも1~2時間、待ちます。時間があるときは一晩寝かせるといいでしょう。 抽出に時間がかかりますが、番茶本来のすっきりした味わいを楽しめます。
作った番茶は1日かけて飲みきるようにしてください。
冷水ポットでの淹れ方
冷水ポットに水1ℓと約15gの茶葉を入れ、冷蔵庫で一晩かけて、 ゆっくり抽出します。
飲むときは茶漉しを使わないといけないので、面倒なときはティーバッグを使用すると便利です。
ティーバッグの場合は水1ℓに対し、バッグは2つ入れてください。
水出し番茶の美味しい飲み方
水出し番茶は麦茶などと同じように冷水ポットでの冷蔵保存ができます。
そのままでは茶葉が沈殿するので、飲む前に軽くポットを振ると、茶の味が全体に行き渡り、美味しく飲めます。
水出し番茶を美味しく淹れるのに「水」は重要です。浄水器を通した水や、一晩置いて一度しっかり沸かした水を使用するといいでしょう。
また、水出し番茶はできるだけ低温で淹れるのが美味しくなる秘訣です。
氷水で淹れるのが理想ですが、事前に冷水ポットに水を入れ、冷蔵庫で冷やしておいてもいいです。
少し濃いめに作り、氷を入れて飲むのもおすすめ。
水出し番茶は作ってから2日以内に飲みきりましょう。
まとめ
暑い時期はたっぷり水分を摂りたいですよね。
お茶は飲みやすいし、糖分が入っていないから太りにくい、と選ぶ人も多いですよね。
ただ、お茶で気になるのはカフェインの摂りすぎになること。
水出し番茶ならカフェインが少なく、家族で安心して飲めます。
健康や美容にも効果があり、ダイエットもできる身体にいいお茶でもある番茶。
毎日の生活に番茶を取り入れて、夏を元気に過ごしたいですね!
番茶とほうじ茶の違いについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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